ここまの心
7月7日
猛暑、酷暑。
いよいよ夏本番となって参りました。
今年も梅雨明け宣言は無しでしょうかねぇ。七夕だからって何するわけでもなく、ただクソ暑いだけの夜を過ごしております。
『七夕湯』って名付けて、笹の湯でもやればいいのにね。昨晩はレッドペッパー、初登場。(1回コッキリ)
お後のjazzもなかったので、ごくフツーの落語会でしたが。
大した宣伝もせずに?!集まっていただいた方々には、幸せの念波を送っておきます。終演後、お客さんに誘われて、しんちか(新橋の地下街)辺りにある、豆腐料理の『扇里』に行ってきました。
あるもんですね、同じ名前って。
なぜこの店名かは聞き逃しましたが、美味しゅうございました。帰りに扇里兄さんと近所のアクア東中野に寄って、ひとっ風呂。
ここの銭湯は、露天風呂があるだけじゃなく、何とプールもあるんです!!
今度は、夕方あたりにひと泳ぎ&入浴&飲み食いと行きましょうね、兄さん!!
7月9日
浅草・昼席。
前座の彦丸が浴衣に下駄を突っかけて楽屋入りしてきた。
「いい形だねぇ!」下駄か、いいなァ。
さっと高座を務め、観音様の周りを歩き回っていたら、浅草公会堂前の『富士屋』に立っていた。
ふらっと立ち寄って、下駄を眺める。
「これが桐、で、こっちは古代杉ってんですか。へぇ、正目が細かくていいですねぇ。」
いろんなことを云いながら、手にとってみると、軽くて履きやすそう。
でも、財布を楽屋に置いてきちゃったし。
というか、もともと手持ちもないし。楽屋へ戻る道すがら、とある店先の、麻の長襦袢が目に留まった。
「むむむぅ、涼しそうだねぇ・・・。」
今まで化繊のだったので、暑いのなんのって。さぁ、どうする。
欲しいと思ったときが、買い時。
実入りは後から付いてくるのさ?!
7月10日
結局、下駄と長襦袢を買っちゃったぃ。
手元不如意。いつものことさ。
昨日、今日と浅草はほおずき市で大賑わい。
そう、「四万六千日様、お暑い盛りでございます。」食いモンの話ばっかしで申し訳ありませんが。
この芝居中に食った美味い物。演芸ホールの斜向かい路地奥にある蕎麦屋、『翁そば』。
50mと離れてないけど、なかなか見つけにくい店。
この観光地・浅草で、ゆっくりと食事ができる大好きなところです。
イチ押しは、カレー南蛮。
ここのは、うどんより、蕎麦のほうが合いますな。
蕎麦屋のカレーは、出汁で伸ばすからいい味してますね。
翁のは辛口で、夏も冬でもオススメ。
「冷や台」って頼むと、茹でた蕎麦を水で締めてから入れるので、食べごろの温度でちょうどいいっす。ちなみに、8日目の高座の後、こちらでカレー南蛮を食ってたら、後から入ってきたご夫婦とそのおっ母さん3人組に、
「今、演芸ホールで見てました。落語家さんですよね?サインを頂いていいですか?」って。
お〜、ちょっとした有名人気分じゃないですか。
千社札も何も持ってませんでしたが、お礼にとご祝儀を頂戴して、嬉しゅうございましたよ。
この場を借りて(手前ェのHPだけど)、御礼申し上げます。
鈴本へちょっと寄った足で、御徒町の『天々』へ。
中国人がやってる、本物の中国料理です。
わき道のビル地下にあるから、いつも空いてて、やっぱり落ち着いて食事ができる。午後3時ちょっと前で、地下の階段を下りていったら、もう店の電気が消されてる。
中を覗いたら、店の人たちが食事中。
「あれ、もう終わっちゃった?」
「あー、今日はお客さんが来ないから、終わちゃたよ。食べたい?」
「ぜひ、食べたいですねぇ!」
厨房のおいちゃんがいいって云うから、「じゃぁ、手っ取り早く作れるのでお願いね。」と頼んだら、
マーボー豆腐を作ってくれました。
うまい!!
今までで、一番うまい麻婆豆腐でしたな。
しかも、この店はご飯をお鉢で出してくれるから、確実に腹いっぱいになれます。
卵スープとザーサイ(これも食べ放題)が付いてランチ700円。
鈴本や黒門亭の行き帰りにどうぞ。
7月17日
黒門亭で「野ざらし」とネタ出しをしたのはいいけれど、釣りのマクラ――
雨で水が溜まったとこで釣りをしてた――ってのを、このご時節に演っていいものかと悩みましたなァ。
後に読み返したら、なんだか分からないだろうけど。で、野ざらし、短ッ!!
あれ?変だなァ。以前に演ったときには30分近くあったはずなのに・・・。
また思い出して、どっかで演ってみます。黒門亭、主任のさん光兄さんが高座で熱演中、グラグラッと震度3の揺れ。
下りてきてから聞いたら、
「最初は気づかなかったんだ。お客さんが、ン?って顔してるから何だと思ったら、揺れてんだろ。
どうしようかなァ、お店の旦那に『地震のことなんて、どうだっていいんだ!』って言わせようかと考えてたら、
セリフがあやふやになって焦ったよ。」
ソデで聞いてたこっちは、その言いよどんでる様子が可笑しかったですけどね。
7月18日
昨晩、突然に頼まれた早朝寄席の代演。
まぁ、頼まれればいつだって喜んでいくわけですが。黒門亭が二日続きなので、落語協会の事務所に着物を置きっぱなしにしてたんです。
なので、事務所に寄って、着物を取ってから鈴本に行けばいいや、と横着したのがシクジリの素。
上野に着いてから気がついた。
日曜日は、協会の事務員さんが来るのは11時。
となると、早朝の主任にギリギリ間に合うかどうか。ところが、こういう時に限って遅刻してくるヤツがいる。
金兵衛ェ!!
いつまでたっても現れないので、10時ごろに電話したら、家で寝てやがんの!
モーニングコールかよッ!
「早く来いよ!」ったって、急いでも11時過ぎ。
じゃ、金兵衛、主任ね。
あれ?じゃァ、オイラはどうすれば・・・・?!しょうがない、サラ口(一番はじめ)に上がった喬之進に着物から長じゅばん、足袋に至るまで一切合切借りて、
間に合わせました。
大き過ぎらぁ、とか文句を云える立場じゃないことは重々承知。なんだか口の回らないカミカミ高座を務めたことは、今後の反省材料にいたしますです。
で、黒門亭二日目。この三連休は、方々の寄席や大銀座落語祭などで、楽屋の下働きが出払っているために、
本日の黒門亭の前座は鏡味仙花さん。
寄席好きな方は、名前を見ればお分かりでしょうが、太神楽の鏡味仙三郎師匠のお弟子さんなんです。
つまり、噺家じゃないんですなァ。
つい最近、前座の見習いとして楽屋修行をすることになったんです。
そんなうら若き乙女(女の子ですぞ!)が、それも楽屋入りして半年と経っていない者が、黒門亭の前座を!!
抜擢というか暴挙というか・・・。
で、当たり前ですが前座噺も出来ないので、太神楽の曲芸で前座を務めるという、前代未聞の出来事と相成りました。さらに驚くべきことに、なんと仙花さん、今日がまったくの初高座!!!
さらに、後見なしのピン(ひとり)高座!!
もう、すべてが異例尽くめ。
う〜、なんでカメラを持ってこなかったんだか〜(笑)。喋りや口上は覚束なかったんですが、さすが、曲芸は修行の甲斐あって、安心して見ていられました。
「もう、仙一とか勝丸より上手いな」って、これはさん光兄さんのお言葉。初めっから客席も和んで、いい雰囲気を作ってくれた仙花に感謝。
えっと、オイラの高座は・・・、早朝がカミカミだったので落ち着いて演りましたが。
干物箱、持ちネタになりますように・・・。
7月26日
♪かぁさんが夜なべーをしてー・・・独り者の悲しさか、繕い物も手前ェでやらなきゃいけない。
ようやっと涼しくなった夜更けに、小さな電灯の下で、明日着ていく長襦袢の袖に針を通す。
慣れぬ仕事に、遅々として進まぬ針先。
そして、糸はジグザグな跡を残して。
あゝ、侘しいねぇ・・・夜なべ(イメージ画像)
たまには「哀」のイメージでどうでしょ。(何が?)
7月31日
落語協会・夏の寄合いと、鈴本での伯楽落語会で気力を使い果たしました〜。師匠の会にお越しの方々、不摂生な高座を務め、申し訳ないです。m(__)m
あんなに声が出なくなるとは・・・。猛反省。また日を改めて、寄合いの様子をUPいたします。