銭湯体制につけ!
四国うどんツアー&道後温泉
2003年1月10日〜12日
夢にまで見た、四国・讃岐地方。
そう、それはうどんの聖地。
ここ最近、東京でも讃岐うどんのチェーン店が進出して、若者を中心に賑わっておりますが、これはやはりブーム。
一過性のものでしょうね。じきに熱も冷めて、あの行列も消えてから、本当の勝負になるのかと。
何度も書いておりますが、小駒のうどんブームは相変わらず続いております。
近所のうどん屋を食べ歩き、そのうどん熱は高まるばかり。(ちなみに、お気に入りは中野坂上・四国屋)
先日本屋で見つけた、噂のバイブル『恐るべき讃岐うどん』。
うどんマニアたちに語り継がれている伝説の本が文庫化されてました。
パラパラとめくったものの、出てくる店は讃岐地方ばかり。
当然のことながら、意気消沈して本屋を後にしたのだ。
それから数ヶ月。
学生時分に同期だった仲間から久し振りに連絡があった。
「ケンタロー(オイラの本名)、オレ今度結婚することになったんよ。で、披露宴の司会を頼みたいんだけど。」
お安いご用さ。で、いつ、どこで?
「来年の1月、正月明けに。松山の全日空ホテルなんだけど。宿とアシ代付きで」
ありがてぇ!こちらこそ、よろしくっす。
そんなワケで、思いがけず四国への旅が決まったのでした。
2003年1月10日。羽田空港ロビー。
何年振りだろうか。学生のころよりちょっとだけ老けた先輩、後輩連中が集まってきた。
その中の一人に、JTBのツアコン&営業マンがいるのだ。当然、幹事として働いてもらおう!
まずは出発カウンターの手荷物検査から・・・って、いきなりここで止められた。
え?何?このチケット、まだチェックイン通してないの?・・・おーい、天下のJTB幹事!大丈夫かぁ?!
あちらから頂いたチケット、本来は翌日の東京―松山行きだったですが。
ツアコンと同行の仲間に、『前日入りして、うどんと温泉ツアー』を激しく薦めてみたところ・・・OK?!よっしゃ!
高松行きへ変更。そう、うどんの聖地へ!
飛行機って、飛んじゃうとあっという間。景色が変わらないから、実感も湧かない。弱ったもんだ。
高松へ11時着。早いね。レンタカーは予約済み。ツアコン、働いてるな。
で、このレンタカー、カーナビは?付けなかったのかよ。地図も持ってきてないよ。
店は?行き当たりばったり?おい!ツアコン!!
えぇっと、カバンの中から四国ガイドブックを発見。それらしい方向へ車を向ける。
まぁ、急ぐ旅じゃなし、のんびり行こうやね。
まず向かったのが、『山越うどん』
先に答えを云っちゃうと、これが大正解!
ちょっと迷いながらも昼過ぎに到着。駐車場の看板を発見し、期待は高まる!
小走りにそこへ近づいてみると・・・
・・・え?なにこれ。営業中って書いてあるけど、ただのプレハブじゃん。どこが店なの?
ぐるっと回ってみる。と・・・
どう見ても町工場だよ、これじゃ。とてもうどん屋には見えない。
でも、見上げると、そこには『手打ちうどん』の看板が。そして入り口らしきところに行列が。
そう、これが恐るべき讃岐うどん屋の正体だったのだ。
もともとは製麺所。というか、やっぱり今も製麺所。
目の前で打ってました。出来たらすぐに茹で上げる。
行列が、店のオバちゃんの前で呪文のようなことを唱えると、茹で上がったうどんが出てくる。
「ぬくいの、かまたましょう!」
何を云ってるんだか分からない。まさに異文化。
傍らの貼り紙を見る。
『温いのか、冷たいの』、『なん玉か』、『かま玉がオススメ』
なるほど。注文が極端に省略されて呪文になる、と。
で、かま玉ってなんすか?行列の、地元民らしきオバちゃんに聞いてみた。
「釜揚げの、ヌクイうどんと卵をよく混ぜるの。おいしいワヨ」
いいねぇ、卵大好き。それでいこう!
口の中で唱えてみた。「かま玉、小」。いい響きだ。
回転は速い。すぐ前の人まで。
「かたまたやま!」―ヤマ?何だよそれ。
見てたら、白くてトロ〜ンとしたのをお玉でかけてる。あぁ!とろろか。山掛け、のヤマね。
じゃ、オイラもまねして「かたまたやま!」、えェ、小でお願いしま〜す。
きょろきょろしてるうちに、すぐ出てくる。
てんぷら各種が並んでる。好きなのを取るセルフ式か。ひとまず一軒目だからいいや。
で、お勘定だね。えェ、“かま玉やま小”っすよ〜。
「140円です。」 は?
「140円」。
・・・・・・
どこの国に、打ち立てうどんに卵ととろろをかけて、この値段になるのだ?
商売っ気、さらに無し、か。それとも四国は独自の通貨、四国円とか使ってるのか。
不思議な気持ちでお釣りを受け取り、再びトラップが。
『ダシ、つゆ、醤油はお好みで』。小さな給水タンクが置いてあって、そう書いてある。
うどんのつゆもご自由か。どこまでも脅かしてくれるもんだ。
じゃ、遠慮なくこの温かいダシってのをかけてみましょ。
いいーッ!早く食わせろ!で、え〜、どこで食べんの?
どんぶりを手に進むと、そこには驚愕の風景がッ!!
ひとンちの玄関(笑)
なぜ?やっぱり町工場だから?
店舗も値段もうどん屋の範疇を軽く飛び越えてますよぉ。
すでに一軒目にして、讃岐うどんの底力を思い知らされた。恐るべし。