ここまの心



1月2日

年頭に当たりまして、皆様のご多幸と益々のご贔屓お引き立てをひとえにお願い申し上げます。


大晦日、ウチの師匠は芝・増上寺の「みこし講」で年越し。
オイラは近所の新井薬師で除夜の鐘を撞かせてもらいましたよ。
1年間たまった大入袋と古くなったお札(ふだ)をお焚き上げ。
中野通りを挟んで対面にある新井の天神様でお参りを済ますと、素焼きのお杯をいただきました。
お巫女さんからお神酒の振る舞い。
下心も一緒に呑み込む。
まだ湯気の上がっている、搗き立てのあんころ餅が美味そうで、つい浮かれて買ってしまう。
帰って、それを肴に祝い酒。
普段だったら絶対にやらない組み合わせ・・・

明けて元旦、馬遊兄さんからの電話で目が覚めた。
「悪りぃ!今起きたとこ。もう師匠んち?」
「今の電話で起きました(笑)。あ、おめでとうございます」
「1時間遅らせようぜ。大丈夫だよな」
「えぇ、あんまり早く来るなって師匠も言ってましたし。」
いい加減なもんだ、お互いに。


雑司が谷の伯楽宅で正月のご挨拶。
駅伝を見ながら、お雑煮をいただいて軽く腹ごなし。
寄席に行く師匠をお見送りして、弟子も方々へ挨拶回り。

去年の元日は、前の晩からの雪で下駄で歩くのもままならない状況でしたが。
今年は曇り空。
黒紋付羽織袴の出で立ちなので、降られると困るのよ。


先ずは江戸川橋に程近い、小石川の還国寺へ。
志ん生、馬生、志ん朝と、一門の大師匠が眠る美濃部家の菩提寺です。
ファンの方々や元九郎師匠もお参りにいらっしゃってました。


『八広の師匠』、圓菊師のお宅へ。
ここで腰を落ち着けるご一門の師匠方が多い。
以前は神楽坂は『矢来町の師匠』、志ん朝邸が正月の噺家の寄合い所だったんですがねぇ・・・

落語協会メルマガ正月号、雲さま(雲助師匠ね)のご挨拶にも書いてありましたが、
噺家宅の正月名物料理ってのが、昔からよくあります。
『稲荷町の師匠』、彦六師の牛めしは、お弟子の正雀師匠が圓朝まつりで再現してくれました。
あるいは、『平井の師匠』圓蔵師のところは、師匠手作りのチャーシューと松前漬け、なんてんで。

で、八広のお宅では、とろろ飯が毎年の恒例。
すきっ腹ならたっぷりと、ずらり並んだ酒肴の仕上げに軽くいただくのもOK。
これが楽しみでお邪魔いたします(笑)。


去年までは、浅草・永住亭(永六輔さんのご実家の最尊寺)で、入船亭、古今亭の若手が集合して
呑めや歌えの大騒ぎってな案配でしたが、今年は諸事情により中止になっちゃいまして。
寂しいような、でもちょっと安心したりして(笑)。
だって深夜まで大フィーバーなんだもん。すぐ脱ぐしね。特に○船亭扇遊師匠!


寄席へ顔出し。
浅草演芸ホール、その上の東洋館、鈴本演芸場と大入りの初席は、楽屋も大忙し。
前座、二ッ目は出番がないけど・・・

賑やかな寄席と、帰り道の静けさと。
今年もどうぞヨロシクです!

1月4日

tenugui2-H18.gif
今年の小駒手拭い、新色2パターン。
プラムと草色。

早稲田の神田川沿いにある『佐藤染業』(通称『ゆたか』)でいつも頼むんですが、
今回は予想していた色とはかなり違ったものが出来上がってきました。
色見本を眺めながらあれこれ悩むんですが、実際の色味と印刷物の色調って異なりますからね。

年々、値上がりしていく領収書に苦笑いしつつ・・・

1月7日

『古今亭の新年会』
koyanagi06.jpg  koyanagi06_2.jpg
古今亭志ん生の弟子、孫弟子、ひ孫弟子、それに身内の色物も合わせて総勢58名。
浅草の鰻屋さん『小柳』での新年会の様子。
上座には長老の圓菊師匠、その次は・・・あ、ウチの師匠伯楽が2番目なんだ。

携帯のセコカメラだからボンヤリとしか顔が分からない。
これで10人以上判別した方は、相当の『古今亭マニア』!

一門の新前座紹介、二ッ目昇進の発表、結婚の報告などに続き、お楽しみの余興コーナー。
朝太・志ん公のクイズ、そしておタロ争奪ジャンケン大会。(タロってなんだろね)
この大人数で2回、勝ち抜きジャンケンをやって、ともに○助兄さんの手に納まりました。
すっげぇ強運。
お姉さんに取り上げられちゃうと可哀想なので、名前は伏せておきます。
(カミさんが見たらすぐバレバレ)

お開きの後、若手で吉原近辺の呑み屋へ。
タレカキ話で随分と盛り上がったよ。(タレカキって何だろね)
駿菊兄さん、声枯れてるし(笑)
身内だけだと、つい油断して呑みすぎちゃうねェ。


昨晩の研精会は、100名様以上の大入りでありがとうございます。
この調子なら、毎月国立で出来るんじゃねぇか、なんて話にもなってます。
来月は小駒のトリです。ご油断召されるな。

やっぱり研精会の後も、「正月だから呑もうじゃねぇか!」ってことで、近所で打ち上げ。
タレカキ話で盛り上がったよ。(何のことだろ)
若い衆が集まるとろくな話をしない。
あぁ、楽屋の年寄りもタレスキーばっかしだ。(だから何?)


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