ここまの心




5月1日


さぁ、世界で一番気分のいい5月です。
世間は連休だそうでおめでとうございます。私は毎日が連休なのでもっとオメデタイ。

8月の11日に谷中の全生庵てぇとこで『圓朝祭り』なるものが催されます。
いえ、以前から行なってましたが、今年は一味もふた味も違いますよ!
詳しくは落語協会のHPをご覧頂くとして、とにかくヤル気になってます。
チラシも作りました。宣伝って大切ですからね。

そのチラシ配りの手伝いってんで、鈴本の昼席へ。
そうなんです、ただチラシを置いとくよりも若手がお客様に直接手渡したほうが効果的だ!ってんで、
そんな戦略に加担してきました (^^♪

連休中は鈴本昼席の開場〜開演まで入り口でお客様をお迎えしておりますので、どうぞよろしく。(何が?)



5月2日


今日も晴れてて気分がいいねぇ (^o^)丿
こんな日はバイクでチョイと遠乗りしたくなるのだ。それものんびりと。

朝、鈴本へ行こうと、ふとバイクのチェーンを見ると、少しサビてるじゃねぇか。
普段から乗り回しているクセに、ちっともメンテナンスをしてないんす。
じゃ、今日はバイク・メンテの日に決定!

まずはチェーンから。
「チェーンの汚れは、日常的に落とす習慣を」と、モノの本に書いてある。
ううん、確かにキタナイ。
雨にさらされ、泥にまみれ、それでも廻り続けるチェーン。
ここは一つ、グリースアップしてやろう!

行きつけの(?)バイク用品店、練馬のNap’sへ。
ごちゃごちゃといろんな物が置いてあります。
メーター、マフラー、カムシャフト、キャブレター・・・って、そんなモンまで自分で取り付けるんかぃ?!
いろいろとイジるのが好きな人が集まってます。
オイラはそんな知識もないし、第一、バイクってのは”移動手段”と捉えてますから、動きゃいいんだ、動きゃ!
と云いながらも店内を物色し、チェーンオイルとブレーキレバー(コケた時の予備)を購入。

さっそく作業に取り掛かりましょ (^o^)丿
まずは雑巾でチェーンをゴシゴシ拭き取る!(大丈夫?)
チェーンを少しずつ回しながら、オイルを吹き付ける。
しばらくしたら、余分なオイルを拭き取る。
――何だ、簡単じゃねぇか。・・・と、ふとタイヤを見ると、ヤマがだいぶ擦り減って、ヒビ割れもしてるぜ。
うん、いい機会だ。タイヤの交換もしちゃおう!

江戸川橋のバイクタイヤ専門店、マッハへ。
オイラのはオフロードだけど、滅多に山道なんて走らないんす。
なので、オンロード系のタイヤに変えようと。付け替えてもらう。
作業ピットを見物。こりゃ、シロウトにはムリだ。
オイラのセローってのは前がチューブタイヤ、後ろがチューブレスと、なぜかフシギな構造。
これも、山奥まで入っていけるように作ってあるらしい。

そもそもナゼ、オフロードなのか。
あれはちょうど一年前・・・、当時原チャリに乗っていた私は2連チャンで白バイに捕まったのだ。
1度目は明治通りから早稲田通りに右折した時。
サイレンを鳴らした白バイに止められて、「何で止めたのか分かるか?」だって。
分かるかよ!そんなこと!
何でも2段階右折ってのをしなかったらしい。あぁ、ここって2段階なんだ。
でも、車の流れに乗って走ったほうが、よっぽど安全だと思うんだけどなぁ。
まぁ、違反は違反。素直にサイン。

そのすぐ2日後。羽田方面、まったく車の走っていない直線路を
フル加速で気分よく飛ばしていたらまたサイレン。
スピードオーバーだって。56kmって・・・、制限速度が50kmの道だぜ。
確かに原チャリは30kmが法定速度だけど、そんなの守ってるヤツなんかいるかい?
スピードメーターは確かに60kmを越えてたけど、
30kオーバーは一発免停だから少しは情けを懸けてくれたのかも。
どうやら、ずっと後を付けていたらしい。まさか誰もいないと思って、ミラーを見なかったオイラのミス。

こんなことがあって、警察にとっての原チャリの捉え方に限界を感じ、
二輪の免許を取りに行ったワケなのだ。
二輪の教習って、まず何から始まるかご存知ですかぃ?
”引き起こし”。つまり、倒したバイクを自分の力で起こすことよ。
これがまた重いオモイ。バイクってこんなに重いもんなの?!と皆が口々にそう云う。
アクセルとクラッチのつなぎ方はマニュアル車の要領と同じなので慣れてくればどうにかなりそう。
でも、フラフラッときて傾くと、もう足を付いて踏ん張っても自転車のようには支えきれない。
これで何度転んだことか。
まだ教習所のバイクは両側にガードが着いてるからコケても潰されることはないけど、
オモテに出たらコケた恥ずかしさ&バイクに押し潰されて屈辱にまみれることになる。
何としてもこれだけは避けたい。

となれば、やはり軽いバイクを選びたいもんです。
教習車はメジャーなホンダのCB400SF。
余計なモンがいっぱい付いてるから190kg以上はあるんじゃないかな。こりゃ重い。
で、軽いといえばオフロード。道なき道を走るには軽く動けなきゃいけません。(行かないけど)
しかも足がバッチリ着かないと。背が高くて、足着きの悪いオフロードの多いこと。
で、気になってたのがセロー。
たまたま近所のバイク屋にステキなセローが出ていたので、即決。


そんなことを考えているうちに、タイヤの交換は無事終了・・・とよく見ると
やっぱりオフ系のタイヤを履かされている。
どうやらこれはオイラにオフを走れ、と神が指示しているのか。どこの神だよ。
ま、いいや。それならそれで。

オイルアップ&新タイヤでずいぶん軽くなったような気分。
せっかくだから記念撮影。
あ、後ろにハコが乗ってますが、決してバイク便をやってるワケじゃありませんので、
運送の依頼はしないように(笑)



5月2日のオマケ


先日の記念撮影、失敗だったので改めて・・・
やっぱりあんまりキレイじゃないねぇ。
なぜ太陽に逆らって撮りたがる?車体が影になっちゃってるじゃん。
それにHP用に圧縮すると画像が汚くなる。
これでも、共に20kオーバーなんだよねェ。むむぅー、皆んな!ADSLに変えるんだ!(^_^)/~
セローセロー
撮影場所は、荒川の河川敷です。って、またかい!(笑)
もう大好き、河川敷。毎日のように行ってますよ。・・・ヒマなんだね。
おかげで顔と手が焼けちゃったような気がする。
これがホントの土手焼き?!  (>_<)あちゃぁ〜



5月4日


またまた鈴本にてチラシ配り。本日は喬之助兄と二人。
11時前に行ったら、もうお客さんが100m近く(大げさ?)並んでました。
大急ぎで準備。11時過ぎには開場しちゃったよ。早いねぇ!
先頭の方は9時半から並んでたって。むむぅ。

そう、GWやお盆、お正月ってのは寄席の方じゃ書入れ時なんですわ。
開場前から表にズラーッと並んで、中に入れば客席は満員。立ち見の方が十重二十重に・・・。
ヒトの頭の間から覗くように眺めてる。
――落語ってのはチラッと見ただけでそう興奮するようなことは演りません。(あ、師匠のネタだ!)
どうも最近の日本人のDNAには長期休暇になると寄席へでも行こうか・・・って考えが刷り込まれているようです。
なぜ、もっと普段の寄席へ来てくれないんだ!!
座れます、確実に。ひとりで10人分ぐらいね。ゆったりしていていいもんです。
会社帰りにフラッと立ち寄ってみて!それが真の文化的な生活ってもんです。

で、鈴本。
あんまり待たせても何だから・・・ってんで、12時に開演。(普段は12時20分過ぎ)
そしたら、お後の師匠が来ないので、急遽、支配人よりお手伝いの喬之助兄さんに出演要請が出たのだ!!
もちろん、着物なんて持って来てない。なので、前座さんに着物を借りて、二楽兄の羽織を着て、飛び入り高座。
満員の客席でよかったね!アニさん!


ホントに満員でした。
立ち見のお客さんが60人以上になっちゃったので、『満員御礼札止め』と相成りました。
つまり、これ以上は入れませんよってこと。
ちなみにこれが浅草演芸ホールなら営業方針上(笑)、いくらでも入れます。というか、無理矢理にでも入れます。
どちらもステキな寄席です。


チラシ配りもあらかた片付いたので、ちょっと遅い昼食。
喬之助 「お前、何か食いたいモン、あるのかよ?」
小駒  「さすがアニさん!ごちそう様!」
喬之助 「まだおごるとも何とも言ってないだろうよ!」
小駒  「いい店紹介しますから。蕎麦どうっすか?」
喬之助 「近所なの?」
小駒  「湯島の天神様の裏っ手です。」
喬之助 「じゃ、ノンビリ歩いて行くか」
小駒  「今日はメット二つあるんで、アニさん、後ろに乗っけてあげるから」

かなりデカイです、喬之助兄は。
しかも写真の通り、オイラのバイクは後ろに箱を付けてるからタンデム(二人乗り)は結構キツイ。
それでも無理に乗せて(?)、湯島の裏道、三組坂上へ。
目指すは『古式蕎麦』

面白いんだ、ここの蕎麦が。
大根の絞り汁と生醤油が出てきます。これを合わせて付けて下さいっての。
これに、鰹節と刻みネギを入れて、出来上がり。
風変わりなツユ。
いいの?これで・・・と思って口に入れると、これが結構さっぱりしていてイケますですよ!
そばはかなり黒い。田舎蕎麦みたい。
硬くて、香りが良くって、蕎麦!って感じです。(なんだ、そりゃ)

どうやら、江戸の昔の蕎麦ってのは、こうやって食っていたらしいんだそうで。
勉強になるなぁ。
でも、ちょいと高いっす。この「古式蕎麦」が970円?くらいだったねぇ。
ま、たまにはいいですね。ウダウダ酒呑むよりよっぽどいいよ。


あ、計画通り、喬之助兄さんが払ってくれました。さんくす!



5月5日


わが兄弟子、馬遊の独演会。第2回目です。
今回の目玉は「唐茄子屋政談の通し」。
う〜ん、いい噺だなぁ。これも若いうちに演っておきたいネタだね。
オイラも数年以内に仕込む予定です。・・・いや、未定、です。

ワタクシめは野ざらしを。
今回は「あの人、針取っちゃった!」ってとこで切ってみましたが・・・、何だかなぁ。
何度かサゲまで演ってみたけど、やっぱり長いね。ダレるよ。
ひとりキ○ガイが池に落っこちる所までがちょうどいいのかな。
まだまだ、まとまりませんな。


で、ハネて打ち上げを。
そうそう、会はお江戸日本橋亭で、12:30〜2:30でした。
近所には、あまり店がないので、神田までプラプラ歩いて、店探し。
・・・って、まだ昼間だし、しかも連休の真っ只中。
どこも閉まってます。当たり前だ。
ぐるっと駅周辺を一周して、やっぱりやってない。
「ダメっすね、神田は。これが上野辺りなら昼間っから呑める店、いくらでもあるんですけどねぇ。」
「じゃぁ、上野にするか!」
ってんで、兄さんとお客さんと共に、タクシーで移動。って近いけどね。

上野仲通り。
鈴本の先を曲がった歓楽街。
――やってます。昼間っから営業してる呑み屋がいくらもありますよ!
そのうちの一軒に飛び込む。これが3時過ぎ(笑)。まだいい陽気だよ。
仕事の後の1杯ってのは、ホント、うまいっすね。
気持ちよくのどを流れていきます。

このあと、新宿の夜席を見に行くって方がいらっしゃったので、軽く一杯・・・ってんで入ったんですが。
気付いたらもう8時を回ってました。5時間近くいたのかよ!!
結局、新宿はあきらめ。スイマセン・・・

矢来町の話になりました。
志ん朝師匠のことです。
皆、それぞれに思い出話があります。
叶わぬ夢を語りました。

誰かが、藪蕎麦へ行こう!と言い出しました。
何となく敷居が高くて、今まであの暖簾をくぐったことがない藪蕎麦。
矢来町もフラッと寄って、一献傾けながら軽く手繰っていたことでしょう。

池之端・藪蕎麦。
看板は右近師匠の字です。大好きです。いくら眺めても飽きません。
うまい具合にやってました。
海苔とゴマ味噌を肴に軽く熱燗を頂いて、もりで〆。
何となくいい気分でお開きとなりました。
感謝、感謝の一日。



5月8日


若手研精会、扇辰兄の卒業公演。
安定感があって、常に高いレベルで完成された芸を見せてくれた扇辰兄が、
今回を持って研精会を卒業致します。
後輩の我々がもっともっと頑張らなくちゃいけないんですよねぇ!

で、現在、研精会のレギュラーは5名。
更なるパワーアップをと、次回(6月8日)は鈴々舎わか馬兄さんが助っ人で出てくれます。
さぁ、レギュラーの座を射止めるのは誰だ?!



5月11日


本日より国立演芸場にて久し振りの寄席出演。
国立って、客席は赤じゅうたんだし、楽屋には風呂まである。
さすがは親方日の丸。
それに、持ち時間がちゃんと15分取ってあるのもありがたい。
二ッ目は短めに――なんてところもあるからさ。
それに本数(出演者数)が少ないんで、後をあまり気にせずにネタを掛けられる。

今回は久蔵兄さんと交互出演です。
その前に、志ん太/菊朗兄の交互が入ってるんだ。
えッ?兄さん方を差し置いて、オイラが後に上がるって・・・それって抜擢?!
――ないないない!!!(笑)
今回の二ッ目交互が二組入っているのはちょいとワケありでして。
というのは、この芝居(興行)、トリの正雀師匠が怪談噺を演っているんですわ。
ご存知のように、怪談噺ってのは幽霊が出てくるところで鳴り物を入れますね。
その鳴り物社中のメンバーってワケなんです。

彦六師直伝の怪談芝居噺。現在では正雀師の独壇場です。
三遊亭圓朝作、『真景累ヶ淵・水門前』。
後半、キッカケと共に後ろの黒幕を振り落とすと、背景が現れる。
そこに描かれている家の明かりがほのかに灯っているのは大道具さんのご協力。
幽霊が出てきて、照明が暗くなって、ヒュ〜ドロドロドロ、ツツツツツン。
高座の後ろに組んである水門のセットを潜り抜け、膝立ちになって立ち回り。
ボーンと鐘の音が入って、見得で決まって、「ても恐ろしき、執念じゃなァ」の決まり文句でオシマイ。

裏方が大変なんですよ〜!
幕の振り落とし、座布団をハケる(どける)のは黒子に扮した前座さん。
ヒュ〜って笛の音は笛吹き童子の志ん太兄さん。
”ドロドロ”って太鼓や、”ボーン”のドラ、効果音は久蔵兄さんとオイラ。
立ち回りのツケ打ち、”チョーン”の柝は菊朗兄さんと志ん太兄さん。
それらに合わせて三味線を入れるおふゆお師匠さん。
皆んなの息が合わないと、とってもマヌケな怪談になっちゃうからね。


初日にしては上出来でした。
ハネて正雀師のお客様と共に銀座でご馳走になりました。
高座は明日っから。頑張りますぜ!



5月12日


近所の亀蔵兄さんに買収されてしまった。
「米がなくなったから、買いに行かなくちゃ」ってオイラの独り言を耳にして、
「ウチに一俵あるから分けてやるよ。その代わりに早朝寄席行ってくれない?」だって。
両方ともありがたいんだけどね。っていうか、買収って云わないし。こういうの。

ちょっと早起き、早朝寄席。
そう、早朝/深夜寄席の出演者がケータイで確認できるんですッ!
落語協会のHPの一部なんだけどね。これまた三之助兄さんの力です。さすが!
アドレス、載っけときます。オイラのH”でも確認できました。ケータイに登録しておいてね。
http://www.rakugo-kyokai.or.jp/futatsume/keitai.html

ところが行ってみると、違うんだ。出演者が。
連絡が上手くいっていないようですな。
4人のうち、本席(本来の出演者)はひとりだけ。こりゃイケマセン。
それでも精一杯演ることに違いはない。


ハネて表へ出るとべらぼうにあったかい。バイクで風を切るには最高の季節だね。
鼻歌混じりで国立へ。
本日は野ざらし。勢いで持ってったよ。
唄ヘタ。何とかならんかな。



5月13日


先日、歌舞伎座の前を通りかかった折、松緑の襲名披露の看板と共に、出し物の”勧進帳”が目に付いた。
そのとき一緒にいた志ん太兄さんと「いいねぇ!見たいね!」ってんで、チケットを買ってくれたワケなんです。
で、本日、その芝居見物。

”三之助”の中じゃ辰之助が一番好きです。
ヘタだって云う人もいるけど、勢いがあって、元気で声も出てるとオイラは思う。

よく言われる事がある。「大きな声で演れ」って。
芝居でも寄席でも舞台でも、ナマで演る芸はまず声を出すことから始まる。
小声で上手そうに演ったって、それは成長を意味しない。
今日、明日の自分ではなく、5年、10年後の自分を見据えた時、そう思った。

辰之助の芝居を見て、あぁ、声が出てる人は見ていて気持ちがいいもんだなって感じたよ。



5月15日


中日。
ちゅうにち、じゃないよ。なかび、だからね。

寄席の興行形態ってのは10日制なんです。
ひと月を上席(かみせき)、中席(なかせき)、下席(しもせき)と区切って、出演者が変わります。
その、それぞれの1日目が初日、5日目が中日、10日目を千秋楽、またはラク日と呼びまする。
ちなみに、正しくは「千穐楽」。「火」を出さないように、縁起を担いで「亀」に変えたワケです。

その中日、区切りのいいところで打ち上げをやりましたよん。
「築地・更科の里」
そば屋です。噺家の打ち上げにそば屋はよく似合う。実のところはうるさくて迷惑がられるけど。
ここ、この前知り合いと来たんだよなァ。確かに美味かった。

蕎麦焼酎の蕎麦湯割り。うまいね。もしかしたら今まで呑んできた焼酎の中で一番うまかったかもしれない。
大好きな厚焼き玉子と、鶏の刺身(何て云うんだっけ?)も良かったっす。
軽く呑んで、そばを手繰って。
やっぱり幸せな一日。



 

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